インターネットで誹謗中傷を刑事告訴して受理してもらえるか
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インターネット上での誹謗中傷・風評被害にお悩みの方、ご相談ください

弁護士大熊 裕司
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インターネットで誹謗中傷されたことで、警察に相談に行って犯人を特定してもらいたいと考える方も多くいます。しかし、刑事事件として扱えないことや忙しくて面倒であるため、警察が被害届や告訴を受理することはなく、「弁護士のところに相談した方がよい」といわれます。刑事告訴を希望する方については、発信者(投稿者)を特定した後に、警察に相談をするという流れが一番スムーズだと思います。

刑事告訴とは

告訴とは、犯罪の被害者その他一定の者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示のことです。

インターネット上で刑事告訴が問題となるのは名誉毀損罪(刑法230条1項)が問題となる場合です。名誉毀損罪は親告罪とされていますので(刑法232条1項)、告訴がなされなければ警察が捜査を始めることはありません。

刑事告訴は簡単には受理してもらえない

刑事告訴を受理してもらえない理由

インターネットで誹謗中傷されたことで、警察に相談に行って犯人を特定してもらいたいと考える方も多くいます。ただ、ほとんどのケースでは、警察が被害届や告訴を受理することはなく、「弁護士のところに相談した方がよい」といわれます。その理由は、大体、以下のようなことだと推察されます。

  1. 刑事事件として扱えない
  2. 忙しくて面倒だ
  3. よく分からない

1.刑事事件として扱えない

誹謗中傷の中でも刑事事件として立件されるのは名誉棄損罪です。名誉毀損罪は、公然と真実又は虚偽の事実を摘示して、人の名誉を毀損することにより成立します。誹謗中手の中でも、「AはBと不倫している」とか「Cは薬をやっている」などの投稿は、事実を摘示したものですので、名誉毀損が成立する可能性があります。

しかし、誹謗中傷の中でも、個人のプライバシーを侵害するような書き込みや、他人を侮辱するような書き込みの場合、警察が捜査に着手することはありません。例えば、個人の住所や電話番号、勤務先などはプライバシー情報であり、それを正当な理由なくインターネットで公開することはプライバシー侵害となり、損害賠償請求は可能です。しかし、プライバシー侵害「罪」という犯罪は規定されておりませんので、プライバシー侵害が成立するような書き込みを理由に警察に相談に行っても、刑事での対応は難しいと言われてしまいます。

その他、顔が写っている写真を勝手に投稿されたなどの肖像権侵害についても、肖像権侵害「罪」という犯罪はありませんので、警察が捜査を始めることはなく、民事での解決となります。

もっとも、発信者情報開示請求により投稿者が判明した後に、警察に相談に行った場合は、電話等で注意をしてくれる警察官もいるようです。

2.忙しくて面倒だ

警察官は多数の事件を同時並行で担当しており、大変忙しいのは間違いありません。インターネット上の誹謗中傷の数は膨大であり、相談に来た事件をすべて対応してる余裕がないというのも大きな理由です。

名誉棄損罪の法定刑は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金ですが、実際には懲役刑が科されることはなく、起訴されたとしても罰金刑が科されることが多いという実情のもと、忙しい警察官にとって、積極的に動き難い犯罪の一つなのだと思います。

3.よく分からない

警察官が普段扱っている事件のうち、名誉毀損罪はあまり多くはありません。日本国憲法では表現の自由が保障されていることからも、名誉毀損罪が成立する書込みか否かを判断することは専門的な知識、経験が必要であり、簡単にできることではありません。特にインターネットでの書込みは短文や特殊な用語が書き込まれることが多く、名誉棄損罪が成立するかの判断は難しいといえます。

また、インターネット上で名誉毀損となるような書き込みをした者を特定するためには、インターネットに関する専門的知識が必要となります。最近では、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを使った誹謗中傷も多いですが、こうしたSNSを使ったことがなければそもそも被害者の話を聞いても何のことか分からないと思います。「アカウント」「リプライ」「リツイート」「タイムライン」「DM」などの用語は、日常的にSNSを使っている人にとっては当たり前のように理解できていますが、SNSをあまり使っていない警察官(弁護士もそうですが)にとっては理解不能な用語となっています。
そのため、インターネットに苦手意識を持っている警察官は、あまりネット上の誹謗中傷の事件をやりたがらないと言えます。

4.刑事告訴を受理してもらうには

上記の解説とは矛盾するかもしれませんが、発信者情報開示請求の結果、投稿者(発信者)が特定された場合、通常、発信者情報開示請求訴訟の判決で名誉毀損が成立すると認定されていますので、名誉毀損罪の成否についての判断が困難であるという問題は解決します。

また、発信者情報開示請求訴訟で提出される資料は、刑事手続きにもそのまま使用できるものであり、警察官が一から資料を集める必要はなく、犯人が分からない段階で相談に行った場合に比べると、警察官の負担は相当軽くなります。

こうしたことから、どうしても刑事告訴を希望する方については、発信者(投稿者)を特定した後に、警察に相談をするという流れが一番スムーズだと思います。

告訴期間

名誉毀損罪(刑法230条1項)は親告罪(告訴がなければ起訴されない犯罪)とされており(刑法232条1項)、警察に告訴をしなければ警察が捜査を始めることはありません。そして、刑事訴訟法235条本文では、「親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。」と規定されていますので、犯人が分かってから6か月以内に告訴をしなくてはなりません。

インターネット上での名誉毀損の場合、犯人(投稿者)が分からないのが通常ですので、名誉毀損となる書き込みがなされてから6か月が経過しても、告訴期間が経過していることにはなりません。
しかし、警察が捜査する場合であっても、ログ保存期間の関係で6か月後に告訴をしようとしても難しいことが多いです。告訴期間が6か月であることで問題となるのは、発信者情報開示請求を行っている最中で、投稿から6か月が経過してしまったような場合ですが、その場合は、犯人(投稿者)がまだ分からない段階ですので、発信者情報の開示後、刑事告訴ができます。

刑事告訴ができるのは

刑事訴訟法230条は、「犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。」と規定していて、名誉毀損の被害者が告訴をすることができます。
告訴をする場合は、管轄の警察署に告訴状と資料を添付して提出することになりますが、上記のとおり、名誉毀損の告訴は簡単には受理されませんので、経験のある弁護士に依頼するのが手っ取り早いと思います。

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弁護士 大熊 裕司

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