
フリーランスとして委託された業務を病気などで行えなかった場合、報酬の不払い、減額、違約金、損害賠償、相殺を区別して確認する必要があります。「病気ならすべて免責」「違約金なら自由に天引きできる」とは限りません。
まず契約とフリーランス法の適用を確認する
契約の名称だけでなく、仕事内容、指揮命令、拘束、報酬の性質等から、労働者に当たるか業務委託かを確認します。フリーランス法では、当事者の従業員・役員の有無などによって、適用される義務が変わります。
同法5条の禁止行為は、原則として1か月以上の業務委託に適用されます。法律全体が適用されるかどうかと、5条の期間要件を区別してください。契約の更新・継続の扱いも確認します。
報酬の減額の禁止
5条が適用される取引では、受託者の責めに帰すべき事由がないのに、発注時に定めた報酬を減額することは禁止されます。「罰金」「ペナルティ」等の名称でも、実質が報酬の減額であるかを検討します。
一方、業務を行わなかった部分について報酬が発生するか、すでに行った別の業務の報酬から違約金を控除するか、損害賠償債権と相殺するかは、契約と実態を分けて確認します。欠席に関連する控除がすべて同じ結論になるわけではありません。
病気と違約金・損害賠償
病気で業務を行えなかった場合にも、契約の内容と具体的事情から、受託者に責めに帰すべき事由があるかを検討します。診断書があることだけで、当然にあらゆる責任が免除されるものではありません。
違約金の定めがある場合は、その対象、算定方法、民法420条の賠償額の予定との関係、帰責事由、民法90条の公序良俗などを確認します。高額という事情だけで、裁判所が常に自由に減額できると説明することはできません。
相談時に用意する資料
- 業務委託契約書、発注書、報酬・違約金の合意
- 実際に行った業務と行えなかった業務の記録
- 病気・連絡・代替対応の経過
- 支払明細、控除や相殺を通知した書面・メッセージ
支払いの争いについて公開のSNSで説明する場合にも、相手を犯罪者と断定したり、個人情報を公開したりすると別の問題が生じます。契約上の請求と投稿への対応は分けて検討してください。
参考資料
法令・公表資料は2026年10月3日に確認しました。個別の投稿についての結論は、内容や証拠、事業者の保有情報によって異なります。




