
SNSで誹謗中傷を受けたら、投稿の証拠を保存し、投稿の削除と投稿者の特定をそれぞれ検討します。X、Instagram、Facebook、Threads、YouTubeなどで、窓口、記録の種類、請求の相手方は異なります。
まず残しておく証拠
投稿URL、アカウント名・ID、本文、画像・動画、投稿日時、前後の投稿を保存します。引用・再投稿やリンク先が問題になる場合には、それらも保存します。日時は画面の表示と時刻帯を記録し、後から確認できるようにします。
SNSの投稿者を特定する
投稿時のIPアドレス・通信日時、登録電話番号・メールアドレスなど、保有されている情報と特定につながる経路を確認します。投稿時の情報で特定できない場合などには、ログイン通信等に関する「特定発信者情報」の開示を検討しますが、情プラ法5条1項3号の追加要件や、投稿との関連性が必要です。どのSNSでも同じ種類の情報が必ず保有・開示されるとは限りません。
発信者情報開示命令(情プラ法8条)を中心に、任意の請求や仮処分・訴訟の適否を検討します。IPアドレス等から接続業者への請求が必要になる場合には、提供命令(15条)や消去禁止命令(16条)の利用も検討します。開示の申立てだけでログが自動的に保存されるわけではありません。
ログの保存期間は、事業者や通信の種類によって異なります。一律に「3か月」「6か月」と考えて待たず、早期に保存要請や消去禁止命令等を検討します。すでに消去された記録を、命令によって復元できるわけではありません。
通信事業者から開示されるのは、通常、その通信に対応する契約者の情報です。家族共用回線、勤務先・店舗の回線などでは、契約者と実際の投稿者が異なることがあるため、追加の確認が必要です。
ログイン通信の開示には追加の検討が必要
ログインの日時が投稿に近いというだけで、すべての記録を開示できるわけではありません。投稿との関連性、特定に必要な範囲、他の情報を使った特定が可能かを検討します。インスタのログイン情報開示|最高裁令和6年判決を解説では最高裁令和6年12月23日判決を解説しています。
投稿の削除を申し出る
SNSの通報機能や権利侵害申出窓口を確認します。利用規約に反する投稿と法律上の権利侵害に当たる投稿を区別し、対象URLと具体的な理由を示します。
総務大臣の指定を受けた大規模サービスには、権利侵害を理由とする削除申出の窓口整備・調査・結果通知などの義務があります。情プラ法25条と施行規則16条による通知期間は、例外を除き申出を受けた日から7日以内です。これは削除の実施を7日以内に保証する制度ではありません。一般の通報と法律に基づく申出では、窓口や必要事項が異なる場合があります。
任意の申出で解決しない場合には、削除仮処分等を検討します。投稿が不快というだけで、当然に削除や開示が認められるわけではありません。
媒体別の対応
- X(旧Twitter)に対する開示・削除請求
- インスタの開示請求・削除請求|誹謗中傷の投稿者を特定する方法
- Threads(スレッズ)での誹謗中傷に対する開示請求・削除請求
- Facebook(フェイスブック)に対する開示・削除請求
- YouTube(ユーチューブ)に対する開示・削除請求
- TikTokの開示請求・削除請求|誹謗中傷の投稿者を特定する方法
共通する要件は発信者情報開示請求とは|費用・期間・手続の流れを弁護士が解説、削除の方法はインターネット上の違法な投稿を削除してもらうにはどんな方法がありますか?をご覧ください。
参考資料
法令・公表資料は2026年10月3日に確認しました。個別の投稿についての結論は、内容や証拠、事業者の保有情報によって異なります。




