
【2026年8月追記】本記事は2022年8月時点の解説です。ここで紹介した新しい開示制度(発信者情報開示命令)は2022年10月1日から運用されており、2025年4月1日には法律の名称も「情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)」に改められました。現在の手続の詳細は発信者情報開示命令とはをご覧ください。
SNSに対する開示請求手続きの緩和
SNSの開示請求では、利用するサービスの運営法人と情報の保有者を確認して相手方を選びます。日本法人があることだけで日本法人への請求で足りるとは限りません。運営法人・商号・登記は変わり得るため、現在の情報を確認します。
本記事の2022年当時の実務では、海外送達や委任状の取得に時間を要する場合がありました。現在の手続では、日本における代表者の登記・送達先、管轄、保有情報と記録の確保を確認して、開示命令・訴訟・必要な保全手続を選びます。
そのため、従来はSNS事業者に対する仮処分とアクセスプロバイダに対する訴訟を別々に進めることが一般的だった開示手続きを改善するため、発信者情報開示命令という新たな制度が設けられました。SNS事業者とアクセスプロバイダへの申立てを関連づけ、一体的に審理できる仕組みですが、相手方ごとの申立てや、必要に応じて提供命令・消去禁止命令の申立てを行います。新制度は2022年10月1日から運用されています。詳しくは発信者情報開示命令とはで解説しています。
SNSに対する削除請求に変化はあるか
主要サービスの日本における代表者の登記は、管轄と送達の検討に影響します。ただし、削除仮処分の申立先は、国際裁判管轄、本案の管轄や相手方の現在の登記等を確認して決めます。登記があるだけで、すべての事件の申立先が一律に決まるわけではありません。
会社法に基づく外国会社の登記義務
会社法では、外国会社が日本において継続して取引をしようとするときは、日本における代表者(日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければなりません。)を定め(会社法第817条第1項)、当該外国会社について登記をすることが必要とされています。そして、外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができないとも規定されています(会社法第818条第1項)。
日本における代表者への国内送達が可能な場合は、海外送達を要する場合に比べて負担の軽減が期待できます。申立て時点の登記と適法な送達先を確認する必要があります。


