「転職会議」(https://jobtalk.jp/)は、株式会社リブセンスによって運営されている企業に関する就職や転職関連のクチコミ情報を提供するウェブサイトです。
国内最大級300万件以上の転職口コミ情報を掲載しており、実際に働いていた元社員や社員の会社に対する評価や年収、残業時間、有給消化率などを口コミとして見ることができるサイトです。
このように、転職を考えている人にとっては、求人情報だけでは得られない貴重な情報を提供してくれるサイトであり、転職活動をしている人の多くが閲覧しています。そのような人気のあるサイトのため、会社としては迷惑な口コミであっても、任意の発信者情報開示請求には応じず、また、削除請求にも簡単には応じません。
転職会議への発信者情報開示請求
「転職会議」は、個人情報の開示について、「裁判所からの開示命令、行政機関からの開示要請を除き、投稿者の同意なく個人情報を第三者に開示することはございません。」と宣言しています。また、システム上は、過去に勤務していた社員のみが口コミを投稿できるシステムになっています。
したがって、発信者情報が任意に開示されることはなく、裁判所による仮処分決定が必要となります。なお、「転職会議」を運営しているリブセンスは東京23区内に本社がある会社ですので、管轄裁判所は東京地方裁判所となります。
なお、「転職会議」の登録にあたっては、氏名や住所を記載する必要はないため、リブセンスが保有している発信者情報はIPアドレスとタイムスタンプとなります。また、登録されているメールアドレスは、仮処分ではなく通常訴訟でリブセンスに請求できますが、メールアドレスの開示のみでは意味がないケースが多いことから、基本的には仮処分でIPアドレスとタイムスタンプの開示を求め、経由プロバイダ(携帯電話会社など)に対して氏名、住所、メールアドレスの開示を請求することになります。
リブセンスからIPアドレスとタイムスタンプが開示された後、経由プロバイダ(携帯電話会社など)が判明しますので、各プロバイダに投稿者(契約者)の氏名、住所などの開示を請求します。
具体的な手続きは、本ブログの発信者情報開示請求とプロバイダ責任制限法をご覧ください。
転職会議への削除請求
リブセンスは、「転職会議」に投稿された口コミの削除について、任意の削除請求を受け付けています。もっとも、上記のとおり、会社で勤務した者が投稿した口コミ投稿は重要な価値を持っており、多くの転職希望者が閲覧する情報ですので、簡単に任意削除されるものではありません。
任意削除に応じてもらえないとしても、リブセンスは、裁判所による仮処分決定がなされれば、削除に応じる姿勢をとっています。なお、申立てをする裁判所は、基本的には被害者の居住地(会社の場合は本店所在地)を管轄する裁判所となります。