「en Lighthouse」(https://en-hyouban.com/)は、エン・ジャパン株式会社によって運営されている企業に関する就職や転職関連のクチコミ情報を提供するウェブサイトです。「会社の強み・将来性」、「給与・年収」、「勤務時間」等の口コミを掲載しており、豊富な分析レポートや、会社の傾向がひと目でわかる評判グラフなどで、転職先の情報が分かり易く入手できるサイトです。
「en Lighthouse」への発信者情報開示請求
「en Lighthouse」は、転職を考えている人にとっては、求人情報だけでは得られない貴重な情報を提供してくれるサイトであり、転職活動をしている人の多くが閲覧しています。そのような人気のあるサイトのため、会社としては迷惑な口コミであっても、任意の発信者情報開示請求には応じませんので、裁判所による仮処分決定が必要となります。なお、「カイシャの評判」を運営しているエン・ジャパンは東京23区内に本社がある会社ですので、管轄裁判所は東京地方裁判所となります。
「en Lighthouse」の登録にあたっては、氏名や住所を記載する必要はないため、エン・ジャパンが保有している発信者情報はIPアドレスとタイムスタンプとなります。また、登録されているメールアドレスは、仮処分ではなく通常訴訟でエン・ジャパンに請求できますが、メールアドレスの開示のみでは意味がないケースが多いことから、基本的には仮処分でIPアドレスとタイムスタンプの開示を求め、経由プロバイダ(携帯電話会社など)に対して氏名、住所、メールアドレスの開示を請求することになります。
なお、「en Lighthouse」への会員登録にあたり、不正登録を防止する目的で、電話番号認証が採用されているようです。そのような会員の場合、エン・ジャパンは会員の電話番号も保有していると思います。そうであれば、仮処分を省略して、電話番号の開示を求める発信者情報開示請求をするという方法もあり得ます。
エン・ジャパンからIPアドレスとタイムスタンプが開示された後、経由プロバイダ(携帯電話会社など)が判明しますので、各プロバイダに投稿者(契約者)の氏名、住所などの開示を請求します。
具体的な手続きは、本ブログの発信者情報開示請求とプロバイダ責任制限法をご覧ください。
「en Lighthouse」への削除請求
エン・ジャパンは、「en Lighthouse」に投稿された口コミの削除について、任意の削除請求を受け付けています。もっとも、上記のとおり、会社で勤務した者が投稿した口コミ投稿は重要な価値を持っており、多くの転職希望者が閲覧する情報ですので、簡単に任意削除されるものではありません。
任意削除に応じてもらえないとしても、エン・ジャパンは、裁判所による仮処分決定がなされれば、削除に応じる姿勢をとっています。なお、申立てをする裁判所は、基本的には、エン・ジャパンの本店所在地を管轄する東京地方裁判所となります。