「大島てる」(https://www.oshimaland.co.jp/)は、事故物件の情報提供ウェブサイトです。サイト内の事故物件の定義としては、殺人事件、自殺、火災などの事件・事故で死亡者の出た物件としており、対象となる物件(宿泊施設を含む)の住所や部屋番号、元・入居者の死因を公開しています。
このように、転居や住宅の購入を考えている人にとっては、不動産情報だけでは得られない貴重な情報を提供してくれるサイトであり、転居や住宅の購入を考えている人の多くが閲覧しています。
「大島てる」はどのような人が閲覧するのか
マンションを借りようとしている人や、不動産を購入しようとしている人は、目的の不動産が「事故物件」ではないかチェックする人が多くなっています。例えば、マンション内で自殺や殺人事件が発生していた場合は、そのような部屋で居住したくないという人が通常でしょうから、賃借や購入を避けるのが通常です。
自殺や殺人事件などが発生した物件を「事故物件」とよんだりしますが、対象の不動産が「事故物件」か否かはなかなか分からないのが実情です。なお、「事故物件」であることは本来説明されるべき事項であるともいえますが、そもそも「事故物件」の定義が曖昧であり、数十年前の自殺の事実も説明しなくてはいけないのかなど、説明義務の範囲は明確ではありません。
「大島てる」では、事故物件情報が地図上で分かり易く表示されていますので、自分が賃借したり購入しようとしている不動産が「事故物件」であるかは容易に確認できます。もっとも、あくまで口コミサイトですので、間違った情報が公開されていることもありますので、その真否については不動産会社等へ確認する必要があると思います。
そうはいっても、「大島てる」に投稿された事故物件情報については、多くの閲覧者が信用すると思いますので、特に真否の確認をすることなく賃借や売買の対象から外されていることも多いと思われます。そのため、不動産の賃貸人や不動産の売主は、「大島てる」を確認して、自己が所有する物件が「事故物件」として公表されていないかを確認する必要があります。
「大島てる」への発信者情報開示請求
「大島てる」は、個人情報(IPアドレス)の開示について、発信者情報開示手続を行うことで、開示を行っています。なお、管轄裁判所は東京地方裁判所となります。
なお、「大島てる」へのにあたっては、氏名や住所を記載する必要はないため、「大島てる」が保有している発信者情報はIPアドレスとタイムスタンプとなります。
「大島てる」からIPアドレスとタイムスタンプが開示された後、アクセスプロバイダ(携帯電話会社など)が判明しますので、各プロバイダに投稿者(契約者)の氏名、住所などの開示を請求します。
具体的な手続きは、本ブログの発信者情報開示請求とプロバイダ責任制限法をご覧ください。
「大島てる」への削除請求
「大島てる」は、投稿記事の削除について、任意の削除請求を受け付けています。もっとも、上記のとおり、「大島てる」は事故物件の情報の提供を目的としており、簡単に任意削除されるものではありません。
任意削除に応じてもらえないとしても、「大島てる」は、裁判所による仮処分決定がなされれば、削除に応じる姿勢をとっています。なお、申立てをする裁判所は、基本的には被害者の居住地(会社の場合は本店所在地)を管轄する裁判所又は東京地方裁判所となります。