ホスラブ(ホストラブ)の誹謗中傷対策|削除依頼・投稿者特定の方法を弁護士が解説
Tokyo, Japan - December 30, 2012: kabukicho, the entertainment and red-light district in Shinjuku, Tokyo, Japan. It is one of the most known red light districts in the world. Not only sex related business but also gambling, restaurants shops and other business thrive in these streets that are very known for the hostess and host clubs.

この記事のポイント(3行まとめ)

  • ホスラブの書き込みが違法かどうかは、投稿内容・文脈・対象者の特定可能性などに応じて個別に判断する
  • 証拠を保存し、削除請求と発信者情報・ログの保全を並行して検討する。ログの保存期間は事業者や情報の種類によって異なる
  • 発信者情報開示命令の導入で投稿者特定は以前よりスピードアップしており、営業損害の立証や業界特有の事情への理解があれば回収額も変わってくる

▶ 削除・投稿者の特定・損害賠償の進め方と費用は「ネットの誹謗中傷を弁護士に相談したい方へ」でまとめています。

1. はじめに――「ホスラブに書かれた」という深刻な被害

「ホストラブ(通称:ホスラブ)に、自分の源氏名で根拠のない悪口を書かれた」 「客との関係や指名数、枕営業に関するデマを流され、売上が落ちてしまった」 「本名や自宅の最寄駅、家族構成まで晒されて、身の危険を感じる」 ――こうしたご相談が、近年急増しています。 ホスラブは、ホスト・キャバクラ・ガールズバー・風俗業界で働く方やその利用客の間で利用される匿名掲示板ですが、匿名性の高さゆえに悪質な中傷・誹謗・デマ・プライバシー暴露の温床になっているのが実情です。しかも、GoogleやYahoo!で源氏名や店舗名を検索しただけで当該スレッドが表示されるケースも多く、本人の社会的評価・営業上の信用を深く傷つけます。 本記事では、虎ノ門法律特許事務所の弁護士が、ホスラブの誹謗中傷被害への法的対処法を、2022年10月施行の改正プロバイダ責任制限法を踏まえて解説します。

2. ホスラブとはどんなサイトか――規模と特徴

ホスラブ(ホストラブ)は、2001年に開設された夜業界向けの情報交換サイトです。当初はホストクラブに特化した掲示板でしたが、現在は水商売全般・風俗業界全般・雑談板にまで拡大し、月間約200万人が利用する国内最大級の夜の掲示板サイトに成長しています。全都道府県に地域板があり、会員登録なしで誰でも書き込めます。 利用規模の大きさと匿名性から、次のような書き込みが日常的に投稿されています。 源氏名を名指しした誹謗中傷(「○○はホス狂いと同棲」「ホストと付き合ってる」等) ライバルキャスト・同僚による営業妨害投稿(「○○はもう指名ゼロ」「枕営業してる」「客と寝て売上を作っている」) 客による暴露・恨み投稿(「色恋営業された」「騙された」「店で○○万取られた」) 客の実名を晒す営業妨害投稿 容姿・性格・私生活への誹謗(「整形」「実はブス」「性格最悪」) 本名・家族構成・交際相手の暴露(「本名は△△」「地元は○○」「彼氏は◇◇」) 店舗・経営者を標的とする業務妨害的書き込み(「あの店はぼったくり」「経営者が反社」) なりすまし・アンチスレッドの立ち上げ これらの投稿では名誉毀損・侮辱・プライバシー侵害などが問題となり得ます。ただし、表現だけで一律に違法とは判断できず、文脈や対象者の特定可能性、公共性・公益目的・真実性などを検討します。

3. ホスラブ特有の「落とし穴」――自分で削除依頼してはいけない理由

ホスラブには、他の掲示板にはない独自のリスクがあります。 (1) 削除依頼フォームの内容が全公開される ホスラブの公式削除依頼フォームから依頼を送ると、依頼内容そのものが掲示板上で公開されます。つまり「源氏名○○です。△△というスレッドの□□番の書き込みを削除してください。本名は△△、住所は△△で……」といった削除依頼の全文が、第三者の目に触れる形で晒されるのです。自分で削除依頼フォームを使うと、かえってプライバシーを自ら暴露してしまう二次被害が発生します。 このため、ホスラブの削除は弁護士名義で運営者に直接請求するのが鉄則です。 (2) 投稿者自身による「削除パスワード」の罠

削除済みの投稿でも、内容・URL・日時等を証明する資料と必要な記録が残っていれば、開示請求を検討できます。運営側に必ず記録が残っているとは限らないため、早期に確認します。

(3) 源氏名でも「本人特定」は認められる 「源氏名だから誰だかわからない」と思うかもしれませんが、裁判実務では、同じ店で同じ源氏名を名乗る人が通常一人であることを踏まえ、源氏名での書き込みにも本人の名誉毀損・プライバシー侵害の成立が認められています。源氏名で書き込まれた場合でも、しっかり法的対処が可能です。

4. ホスラブの書き込みは法的にどう評価されるか

  ホスラブの書き込みに適用され得る法的評価の一覧表 ホスラブの書き込みに適用され得る法的評価の5類型 (1) 名誉毀損罪(刑法230条)・名誉毀損に基づく損害賠償(民法709条)

民事の名誉毀損と刑法230条の名誉毀損罪は、要件を分けて検討します。民事では意見・論評も対象になり得ます。事実摘示の場合、公共性・公益目的・真実性がそろえば違法性が否定され、真実と信じる相当の理由がある場合には故意・過失が否定されます。

「ホストやキャバ嬢は公人だから何を書いてもよい」という誤解が散見されますが、水商売の方も名誉毀損の保護対象です。職業によって保護が薄くなることはありません。 (2) 侮辱罪(刑法231条)――2022年7月改正で厳罰化

具体的事実を摘示しない公然の侮辱は刑法231条が問題になります。表現の文脈や要件を確認し、単に不快な言葉というだけで犯罪成立を決めないようにします。2022年7月7日に法定刑が引き上げられ、以後の行為の公訴時効は原則3年です。現在の法定刑は1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です。

(3) プライバシー権侵害 本名、自宅住所、家族構成、病歴、過去の交際歴、逮捕歴などを無断で公開する行為は、プライバシー権侵害として不法行為に該当します。最判平成15年3月14日・判決文PDF・裁判所ウェブサイト(長良川事件)、最判平成6年2月8日・判決文PDF・裁判所ウェブサイト(ノンフィクション「逆転」事件)等、確立した判例法理があります。 (4) 業務妨害罪・信用毀損罪(刑法233条・234条)

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて信用を毀損し、又は業務を妨害する場合には刑法233条、威力を用いて業務を妨害する場合には234条を検討します。虚偽の口コミが直ちに威力業務妨害となるわけではありません。

(5) 著作権侵害(写真の無断転載) 本人のSNS写真や営業写真を無断でスレッドに貼り付ける行為は、著作権侵害(複製権・公衆送信権侵害)にも該当します。

5. 被害への対応で検討する3つの手段

まずURL・レス番号・投稿日時・内容を証拠として保存します。そのうえで、削除、発信者情報開示、損害賠償という3つの手段を目的に応じて組み合わせます。以下の番号は説明上の区分であり、必ずこの順に進めるという意味ではありません。 Step 1:削除請求――書き込みを止める Step 2:発信者情報開示請求――投稿者を特定する Step 3:損害賠償請求・刑事告訴――責任を追及する 削除を先に終える必要はありません。投稿の拡散を抑える対応と、発信者情報・ログの保全を並行して検討します。削除後も情報が残るかは事業者の保存状況によるため、投稿者の特定を希望する場合は早期に方針を決めることが重要です。

6. Step1:削除請求の実務

(1) 任意削除の申請 ホスラブには独自の削除依頼フォームがあります。該当スレッドのURL・レス番号・書き込み全文のスクリーンショット・権利侵害の理由を明記して送信します。ただし、前述のとおり依頼内容が全公開されるリスクがあり、実務上、任意削除は受理されないケース・数週間返信がないケースも多く、これだけで解決するとは期待しない方が現実的です。 (2) 弁護士名義での送信防止措置依頼

情プラ法3条2項は、権利侵害があると信じる相当の理由がある場合や、所定の意見照会に7日以内に不同意の申出がない場合等について、必要な限度の送信防止措置をした事業者の発信者に対する賠償責任を制限します。削除請求が当然に認められる条文ではありません。投稿と被害、法的根拠を具体的に説明して任意の対応を申し出ます。

(3) 投稿記事削除仮処分の申立て

任意の申出で解決しない場合は、人格権等に基づく削除請求と保全の必要性を疎明して、削除仮処分を検討します。管轄や送達、争点等により期間は変わり、権利侵害を説明しただけで必ず短期間に認められるものではありません。

7. Step2:発信者情報開示請求――犯人は誰か

削除と並行して不可欠なのが、匿名の投稿者を特定する手続です。民事の損害賠償請求を進めるには相手方の特定が重要です。一方、刑事告訴は被疑者不詳で行うこともでき、民事の開示手続の終了を必ず待つものではありません。 (1) 従来の2段階手続(旧プロバイダ責任制限法)

IPアドレス等を取得し、接続業者に契約者情報を求める流れは、現行の開示命令手続でも必要になる場合があります。手続の期間は、保有情報、争点、送達、記録の保存状況等によって変わります。

コンテンツプロバイダ(ホスラブ運営者)に対するIPアドレス開示の仮処分 アクセスプロバイダ(NTTドコモ・ソフトバンク等の通信会社)に対する契約者情報開示訴訟 (2) 改正法による「発信者情報開示命令」――2022年10月施行 2022年10月1日施行の改正プロバイダ責任制限法により、「発信者情報開示命令」という新しい非訟手続が創設されました。

改正プロバイダ責任制限法による発信者情報開示命令の仕組み

改正プロバイダ責任制限法による発信者情報開示命令の仕組み(2022年10月1日施行) 新制度のポイントは次の3点です。 一体的な審理:コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダへの開示を一つの裁判所で一体的に処理できる

提供命令:サイト側に接続業者の名称等を申立人に提供させ、接続業者への申立て後に必要な情報を事業者間で提供させる仕組みです。情報を必ず裁判所経由で転送するという意味ではありません。

消去禁止命令:審理中に通信ログが消去されないよう裁判所が命令できる

提供命令等により事業者間の情報提供を連動させられますが、サイト側と接続業者側の申立てが必要になる場合があります。必ず一定期間短縮される、1社だけの申立てで特定できるという制度ではありません。

(3) 通信ログの保存期間は事業者・情報の種類によって異なる ログの保存期間は一律ではありません。数か月という目安だけで余裕があると判断せず、投稿日時、必要な情報の種類、事業者の保存状況を早期に確認し、必要に応じて消去禁止命令などを検討します。書き込みから時間が経つと、IPアドレスから契約者情報を辿る糸が消えてしまい、どれだけ悪質な書き込みでも投稿者を特定できなくなるという最悪の結果になりかねません。 気づいたらすぐに弁護士へ相談する――これが鉄則です。

8. Step3:損害賠償請求・刑事告訴

(1) 請求できる主な損害項目 投稿者が特定できれば、民法709条に基づき損害賠償を請求できます。 慰謝料:一般的な名誉毀損で10〜50万円、悪質性・拡散性・反復性があれば100万円を超える例も 発信者情報開示手続の弁護士費用:被害者が負担した開示費用は、加害行為と相当因果関係のある損害として加害者に請求可能(裁判例多数) 逸失利益:書き込みを原因に指名数・売上が落ちたことを立証できれば、売上減少分の一部 調査費用・謝罪広告費用:必要性が認められる範囲で ホスト・キャバ嬢の方の場合、指名本数の推移・同伴率の変動・店舗からの減給通知等の客観的資料を揃えることで、営業損害として相応の賠償が認められる余地があります。 (2) 刑事告訴 悪質なケースでは、名誉毀損罪・侮辱罪・信用毀損罪・業務妨害罪での刑事告訴も選択肢です。侮辱罪の厳罰化・公訴時効延長により、以前より告訴のハードルは下がっています。 (3) 示談交渉 訴訟提起前に、特定した投稿者との間で示談金の支払・謝罪文の提出・再発防止の誓約を内容とする示談交渉を行うことも可能です。多くのケースは示談で解決します。

9. 弁護士に相談すべきタイミング

以下のいずれかに該当するなら、今すぐ相談すべき段階です。 源氏名・本名で検索すると悪質な書き込みが表示される 指名数・売上が目に見えて落ちている 同僚・客・家族から「書き込みを見た」と連絡が来た 自宅住所・最寄駅・家族情報など、個人を特定する情報が晒されている 「性病」「枕」「犯罪歴」等、明らかな虚偽の事実が書かれている 同じ人物と思われる投稿が繰り返されている 通信ログには保存期間の限りがあります。具体的な期限を確認せずに待つと特定が難しくなる場合があるため、証拠を保存して早めに相談してください。

10. 虎ノ門法律特許事務所のホスラブ対応

虎ノ門法律特許事務所(代表弁護士:大熊裕司/第一東京弁護士会所属・弁理士登録)は、インターネット上の誹謗中傷・風評被害・名誉毀損対策を取り扱う法律事務所です。ホスラブ・爆サイ・5ちゃんねる・X(旧Twitter)・Instagram・Googleマップ口コミ・転職会議等、主要な掲示板・SNS・口コミサイトに幅広く対応しています。

解決実例

  • 温泉旅行の写真を無断で晒された事案で、即日削除に成功
  • 同僚キャストによる営業妨害目的の投稿について、投稿者を特定のうえ100万円の示談金で解決

対応可能な手続

  • 任意削除請求(弁護士名義/ホスラブでは必須)
  • 投稿記事削除仮処分の申立て
  • 発信者情報開示命令(期間は事業者の対応や事案により異なります)
  • 投稿者への損害賠償請求(示談交渉/訴訟)
  • 名誉毀損罪・侮辱罪・業務妨害罪等での刑事告訴サポート
  • 店舗・経営者側からの風評被害・業務妨害対応

料金体系(ホスラブ対応・税込)

手続 着手金 報酬金
初回法律相談(30分) 5,500円(受任時は相談料不要) ―
任意削除 55,000円〜 ―
投稿記事削除仮処分 22万円〜 0円
発信者情報開示命令 サイト管理者への開示請求:22万円
経由プロバイダへの開示請求:22万円
両方の手続を行う場合の合計:44万円
0円
損害賠償請求(示談交渉) 16万5,000円〜 獲得金額の11〜17.6%(報酬基準による)
損害賠償請求(訴訟) 22万円〜 獲得金額の11〜17.6%(報酬基準による)
お支払いは現金・銀行振込・クレジットカード・分割払い・ローン契約に対応しています。

11. まとめ

ホスラブの書き込みが違法かどうかは、投稿内容・文脈・対象者の特定可能性などに応じて個別に判断する 証拠を保存したうえで、削除と発信者情報・ログの保全を並行して検討する 2022年10月施行の改正プロ責法により、発信者情報開示命令で投稿者特定が大幅にスピードアップ 通信ログの保存期間は一律ではなく、早期に保存状況と保全方法を確認する 営業損害の立証や業界特有の事情への理解があれば、回収額も大きく変わる 泣き寝入りする必要はありません。被害のスクリーンショットを保全し、できるだけ早く弁護士にご相談ください。 ※本記事は法的アドバイスを提供するものではなく、一般的な情報提供を目的としています。個別の事案については必ず弁護士にご相談ください。記載内容は2026年10月3日時点の法令・実務に基づくものであり、今後の法改正・運用変更により変わる可能性があります。

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2026年9月10日:要約、手続の順序、ログ保存期間、民事手続と刑事告訴の区別、料金を更新。手続の参考:東京地方裁判所の発信者情報開示命令の案内。

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弁護士 大熊 裕司
弁護士 大熊 裕司

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電話対応時間 平日 午前9時~午後9時、土日祝 午前9時〜午後6時
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▼ 料金について

相談料

30分 5500円になります。
発信者本人(加害者)の方からのご相談にも応じます。
なお、法律相談後、事件を受任するに至った場合は、法律相談料は不要です。

ネット書込み削除、書込み者特定の費用

投稿記事の任意削除

基本料金:5万5000円~
※サイトや削除件数によって料金が異なります。

投稿記事削除の仮処分

【着手金】 22万円~
【報酬金】0円

発信者情報開示命令申立(書込み者の氏名、住所の開示)

【着手金】サイト管理者への開示請求:22万円
経由プロバイダへの開示請求:22万円
両方の手続を行う場合の合計:44万円
【報酬金】0円

書込み者に対する損害賠償請求

【示談交渉の場合】
・着手金:16万5000円~
・報酬金:11~17.6%(報酬基準による)

【訴訟の場合】
・着手金:22万円~
・報酬金:11~17.6%(報酬基準による)

▼ お支払方法について

・クレジットカードでのお支払い可能です。
・分割払い・ローン払い可能です。

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