
X(旧Twitter)で誹謗中傷を受けた場合は、投稿の証拠を保存し、削除の申出と投稿者を特定する発信者情報開示請求を検討します。削除だけでは投稿者の氏名・住所は分かりません。
証拠を残す
投稿URL、アカウント名・ID、本文、画像・動画、日時と表示の時刻帯を保存します。返信、引用・再投稿、リンク先が問題となる場合は、その前後の文脈も残します。実名が書かれていなくても、プロフィールややり取りなどから本人を指すと分かる場合があります。
引用や再投稿による拡散も、文脈に応じて名誉毀損等が問題になります。元の投稿、引用・再投稿、添えられたコメントを一緒に保存します。
投稿者を特定する方法
投稿時のIPアドレス・通信日時、登録電話番号・メールアドレスなど、保有されている情報と特定につながる経路を確認します。投稿時の情報で特定できない場合などには、ログイン通信等に関する「特定発信者情報」の開示を検討しますが、情プラ法5条1項3号の追加要件や、投稿との関連性が必要です。どのSNSでも同じ種類の情報が必ず保有・開示されるとは限りません。
発信者情報開示命令(情プラ法8条)を中心に、任意の請求や仮処分・訴訟の適否を検討します。IPアドレス等から接続業者への請求が必要になる場合には、提供命令(15条)や消去禁止命令(16条)の利用も検討します。開示の申立てだけでログが自動的に保存されるわけではありません。
ログの保存期間は、事業者や通信の種類によって異なります。一律に「3か月」「6か月」と考えて待たず、早期に保存要請や消去禁止命令等を検討します。すでに消去された記録を、命令によって復元できるわけではありません。
通信事業者から開示されるのは、通常、その通信に対応する契約者の情報です。家族共用回線、勤務先・店舗の回線などでは、契約者と実際の投稿者が異なることがあるため、追加の確認が必要です。
ログイン情報の範囲は個別に判断される
最高裁令和6年12月23日判決はInstagramの投稿とログイン通信の関連性を判断しました。時間的近接性しか判断材料がない場合の説明を、「どの事件でも1回だけ」「投稿前の記録だけ」「21日以内なら認められる」とする共通ルールにすることはできません。対象通信の関係と必要性を確認します。インスタのログイン情報開示|最高裁令和6年判決を解説で事実関係と判断を紹介しています。
削除の申出と裁判所の手続
投稿の報告機能、利用規約に基づく通報、権利侵害申出の窓口を確認します。不快な投稿と、規約違反や法律上の権利侵害を区別し、対象URLと具体的な理由を示します。「裁判所の決定がなければ事業者は絶対に削除しない」と考える必要はありません。
総務大臣の指定を受けた大規模サービスには、権利侵害を理由とする削除申出の窓口整備・調査・結果通知などの義務があります。情プラ法25条と施行規則16条による通知期間は、例外を除き申出を受けた日から7日以内です。これは削除の実施を7日以内に保証する制度ではありません。一般の通報と法律に基づく申出では、窓口や必要事項が異なる場合があります。
任意の申出で解決しない場合には削除仮処分等を検討します。権利侵害と保全の必要性を説明する資料が必要です。アカウント全体の停止・削除と、個々の投稿の削除は区別し、アカウント停止を当然の結果として約束することはできません。
相手方・管轄と費用
裁判所の管轄、相手方の法人名、資格証明書、送達方法は、選ぶ手続と最新の登記・事業者情報を踏まえて確認します。国内の関連会社が存在することだけで、その会社を相手方にできるとは限りません。
手続の種類、対象の投稿数、相手方によって費用・期間が変わります。相談料は30分5,500円(税込)で、受任に至った場合は不要です。LINE・メール・電話でのお問い合わせは無料です。お問い合わせ・料金についてで料金を案内しています。
全体の手続は発信者情報開示請求とは|費用・期間・手続の流れを弁護士が解説、削除の方法はインターネット上の違法な投稿を削除してもらうにはどんな方法がありますか?をご覧ください。Instagramと連携するThreadsの対応はThreads(スレッズ)での誹謗中傷に対する開示請求・削除請求で紹介しています。
参考資料
法令・公表資料は2026年10月3日に確認しました。個別の投稿についての結論は、内容や証拠、事業者の保有情報によって異なります。




