
この記事のポイント(3行まとめ)
- 爆サイには任意の開示請求窓口があり、権利侵害の要件やログの保存状況に応じて、任意請求と裁判手続を検討する
- 削除は「削除依頼フォーム」からでは応じてもらえないことが多く、権利侵害の法的根拠を具体的に示した書面での請求が有効
- 費用の中心は弁護士費用で、当事務所では開示命令の着手金はサイト管理者22万円・経由プロバイダ22万円(両方で44万円)、報酬金0円、任意削除55,000円〜を事前に明示している
爆サイ.com(爆サイ)に誹謗中傷を書き込まれた場合の対応として、投稿者を特定する発信者情報開示請求と、投稿を消す削除請求の進め方、かかる費用と期間を、爆サイの案件を数多く扱う弁護士が解説します。
爆サイとは — なぜ誹謗中傷が多いのか
爆サイ.comは、地域ごと・業種ごとに「板」が分かれた日本最大級のローカル匿名掲示板です。地域の雑談のほか、飲食店・企業の口コミ、ホスト・キャバクラ・風俗など夜の仕事に関する板が多数あり、源氏名や店名を挙げた書き込みが日常的に行われています。
匿名で誰でも投稿でき、地域や業界が限定されているため、書き込みの対象が誰であるかが周囲に伝わりやすく、被害が実生活に直結しやすいのが爆サイの特徴です。爆サイの運営者は爆サイ.com上で公表されていません。
爆サイで誹謗中傷されたときの対応の流れ
- 証拠を保存する — 該当スレッドのURL・レス番号・投稿日時が分かる形でスクリーンショットを保存します。投稿は削除されることがあるため、最初に行ってください
- 目的を決める — 「まず消したい」なら削除請求、「誰が書いたか特定して責任を追及したい」なら発信者情報開示請求です。両方を並行することもできます
- 削除請求 — 爆サイに対し、権利侵害の理由を具体的に示して削除を求めます
- 発信者情報開示請求 — 任意請求や裁判所の手続により、投稿者の情報の開示を求めます。ログの消失を防ぐ対応も早期に検討します
- 損害賠償請求・刑事告訴 — 投稿者が特定できれば、示談交渉や訴訟で慰謝料等を請求し、悪質な場合は刑事告訴も検討します
爆サイで誹謗中傷を行った投稿者を特定するには
任意の開示請求と裁判手続を検討する
爆サイは弁護士・法務関連の申請窓口を設け、本人確認等を経た開示請求を受け付けています。裁判手続が常に必須とは限りませんが、申請や手数料の支払いだけで開示が保証されるものでもありません。任意開示が得られない場合や、ログの保存期限等から裁判所の手続が適切な場合には、仮処分・発信者情報開示命令などを検討します。爆サイからIPアドレス・タイムスタンプ等が開示され、投稿者が利用した通信事業者(アクセスプロバイダ)が判明したら、その通信事業者に対して発信者情報開示命令(情報流通プラットフォーム対処法に基づく非訟手続)を申し立て、氏名・住所の開示を求めます。
開示請求の手続全体の流れ、開示が認められる要件、期間の目安は発信者情報開示請求とは|費用・期間・手続の流れで詳しく解説しています。
特定にかかる期間の目安
爆サイに対する手続と通信事業者に対する手続の二段階を踏むため、投稿者の氏名・住所が判明するまでには数か月を要します。期間は、任意開示の可否、事業者の対応、裁判所で必要となる手続により異なります。通信事業者のログ保存期間には限りがあるため、投稿に気づいたら早めにご相談ください。
源氏名・伏せ字の書き込みでも特定できるか
爆サイでは源氏名や伏せ字での書き込みが多く、「本名が書かれていないので無理では」と諦める方がいますが、勤務先・地域・容姿などの情報と組み合わせて周囲の人が本人と分かる状態であれば、開示が認められる可能性があります。この「同定可能性」の考え方は同定可能性とは|実名がなくても名誉毀損は成立するか判例で解説をご覧ください。
爆サイの誹謗中傷を削除するには
削除依頼フォームからの請求は通りにくい
各スレッドの下にある「削除依頼フォーム」から削除を求めるのが一般的ですが、法的根拠を示さずに「誹謗中傷を受けている」と書くだけでは、削除に応じてもらえないことが多いとされています。ご相談者からも、フォームから何度依頼しても対応されなかったという声を多く聞きます。
弁護士からの書面による削除請求
爆サイは弁護士からの削除請求について書面による窓口を設けており、①削除対象のスレッドURL、②レス番号、③投稿内容、④削除理由を記載した送信防止措置依頼書を、所定の方法で送付して削除を求めます。
ここで重要なのは、「自分のどの権利が、なぜ侵害されているのか」を法的根拠に基づいて具体的に説明することです。抽象的に「誹謗中傷だ」と述べるだけでは削除は難しく、名誉毀損・プライバシー侵害・名誉感情侵害など、どの権利侵害にあたるかを投稿ごとに示す必要があります。源氏名や伏せ字の投稿では、この説明に工夫が要ります。権利侵害の具体例は誹謗中傷はどこから違法か|源氏名・伏せ字・リンクの具体例で解説をご参照ください。
削除までの期間・スレッドごとの削除
削除は爆サイ側の判断で行われるため、日数を確約することはできませんが、これまでの経験では、削除対象が少数であれば比較的短期間で削除される傾向があり、多数の投稿をまとめて請求する場合はより時間を要します。
「スレッドごと消してほしい」というご相談も多いのですが、スレッド単位の削除請求という方法はなく、投稿を一つずつ特定して削除を求めるのが原則です。誹謗中傷が極めて多いスレッドでは、運営の判断でスレッドごと削除される例もありますが、期待しすぎないほうがよいでしょう。
費用の目安
爆サイの誹謗中傷対応にかかる費用は、実費(裁判所の印紙・郵券、任意請求の開示手数料など)と弁護士費用に分かれ、弁護士費用が中心です。当事務所の主な料金は次のとおりです(税込)。
- 投稿記事の任意削除:基本料金55,000円〜(削除件数により異なります)
- 投稿記事削除の仮処分:着手金22万円〜、報酬金0円
- 発信者情報開示命令:サイト管理者への開示請求の着手金22万円、経由プロバイダへの開示請求の着手金22万円(両方の手続を行う場合は合計44万円)、報酬金0円
- 投稿者への損害賠償請求:示談交渉は着手金16万5,000円〜、訴訟は着手金22万円〜、報酬金11〜17.6%(報酬基準による)
- 法律相談料:30分5,500円(受任に至った場合は不要)。LINE・メール・電話でのお問い合わせは無料
費用の内訳と「開示費用を投稿者に請求できるか」については発信者情報開示請求の費用で詳しく解説しています。最新の料金はお問い合わせ・料金についてをご確認ください。
投稿者を特定した後 — 損害賠償請求
投稿者が特定できれば、示談交渉を行い、まとまらなければ損害賠償請求訴訟を提起します。爆サイは夜の仕事に関する板が多いため、ホストクラブ・キャバクラ・風俗店に関する誹謗中傷では、同業者や元従業員・客が投稿者であることも少なくありません。一方、地域の雑談板や飲食店・企業に関する投稿では、開示してみると見知らぬ人物であったというケースも多く、事前に投稿者を予測するのは困難です。
慰謝料の相場や損害賠償請求の進め方は次の記事をご覧ください。
- ネット誹謗中傷の慰謝料相場|法務省調査が示した「30万円の壁」
- ホスラブ(ホストラブ)誹謗中傷対策の実務ガイド — 夜の仕事に関する誹謗中傷の対応は爆サイと共通する部分が多くあります
爆サイに書き込んだ側の方へ
爆サイへの投稿について、通信事業者から「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届いた、あるいは開示されるか不安だという方からのご相談も受けています。意見照会書への回答の仕方や、開示後の示談・損害賠償への備えについては発信者情報開示請求に係る意見照会書が届いたらで解説しています。当事務所は投稿者(発信者)側のご相談にも対応しています。
爆サイの誹謗中傷でお困りの方へ
爆サイの案件は、源氏名や伏せ字が多いこと、削除に法的根拠の説明が求められること、投稿者特定に任意請求と裁判手続の選択が必要なことから、自力での対応が難しい部類に入ります。当事務所は爆サイの削除・開示請求の案件を数多く取り扱っており、開示が認められる見込みや適切な手続を最初のご相談でお伝えしています。お問い合わせの際は、該当スレッドのURLとレス番号をお知らせください。
2026年9月10日:爆サイ公式の申請窓口の案内と訴訟着手金を確認し、該当箇所を更新しました。


