「転職会議」(https://jobtalk.jp/)は、株式会社リブセンスによって運営されている企業に関する就職や転職関連のクチコミ情報を提供するウェブサイトです。
国内最大級300万件以上の転職口コミ情報を掲載しており、実際に働いていた元社員や社員の会社に対する評価や年収、残業時間、有給消化率などを口コミとして見ることができるサイトです。
このように、転職を考えている人にとっては、求人情報だけでは得られない貴重な情報を提供してくれるサイトであり、転職活動をしている人の多くが閲覧しています。そのような人気のあるサイトのため、会社としては迷惑な口コミであっても、任意の発信者情報開示請求には応じず、また、削除請求にも簡単には応じません。
「転職会議」のメリット・デメリット
「転職会議」は日本でよく知られている転職支援ウェブサイトの一つです。このウェブサイトは、転職希望者が各企業の情報を調べたり、転職に関する記事や給与データなどを確認できるプラットフォームとなっています。転職は人生の中で大きな決断の一つですので、多くの転職希望者が「転職会議」を利用しています。
「転職会議」は、企業の評判、年収、面接のフィードバックなど、転職に必要な多くの情報を一堂に集めたウェブサイトですので、転職希望者はここでリアルな企業情報を手に入れることができます。
具体的には、「転職会議」には①豊富な企業情報、②元社員による評価、③キャリアに関する記事が公開されています。
①多くの企業に対する詳細なデータが記載されており、自分がどの企業にマッチするか事前に調査ができます。
②実際に働いていた人による評価が多数掲載されているため、企業選びに役立ちます。
③転職に関するさまざまな記事も公開されているので、転職活動だけでなくキャリア形成にも役立ちます。
しかし、「転職会議」には以下のようなデメリットもあります。
①たくさんの情報がある一方で、その質はまちまちである可能性があります。
②ユーザーの評価はその人の体験に基づいているため、自分にとって必ずしも当てはまるわけではありません。
③悪意に基づいた虚偽の口コミが投稿されている可能性があります。
「転職会議」に書かれていることは信用できるのか
口コミが信用できる点
- 多角的な視点: 一つの企業に対して複数の人々からの意見が集まっているので、全体像をつかみやすい。
- 実体験に基づく情報: 現職または元社員の実体験に基づいているので、企業文化や待遇について深い洞察が得られる場合がある。
口コミの信用できない点
- 個人差: 口コミはあくまで個人の意見や体験に基づいているので、その情報が自分にも当てはまるとは限らない。
- 時点性: 投稿された時期によっては、情報が古い可能性があり、現状を反映していない場合がある。
- バイアスの可能性: 極端に良い、または悪い評価は、特定の状況や感情に基づいている場合があり、そのようなバイアスが影響している可能性がある。
口コミの効果的な利用方法
上記のように、「転職会議」の口コミには信用できる点がある一方で、信用できない点もあることから、転職活動に当たっては以下の点に注意して口コミを利用する必要があります。
- 複数の口コミを読む: 一つや二つの意見だけでなく、多くの口コミを読むことで、よりバランスの取れた情報を得られます。
- 他の情報源も確認する: 口コミだけでなく、企業の公式情報や、他の転職サイト、掲示板なども併せて確認する。
- 自分の状況と照らし合わせる: 自分が何を重視しているのか(例:給与、ワークライフバランス、キャリアアップなど)を明確にして、その観点から口コミを評価する。
転職会議への発信者情報開示請求
「転職会議」は、個人情報の開示について、「裁判所からの開示命令、行政機関からの開示要請を除き、投稿者の同意なく個人情報を第三者に開示することはございません。」と宣言しています。また、システム上は、過去に勤務していた社員のみが口コミを投稿できるシステムになっています。
したがって、発信者情報が任意に開示されることはなく、裁判所による仮処分決定が必要となります。なお、「転職会議」を運営しているリブセンスは東京23区内に本社がある会社ですので、管轄裁判所は東京地方裁判所となります。
なお、「転職会議」の登録にあたっては、氏名や住所を記載する必要はないため、リブセンスが保有している発信者情報はIPアドレスとタイムスタンプとなります。また、登録されているメールアドレスは、仮処分ではなく通常訴訟でリブセンスに請求できますが、メールアドレスの開示のみでは意味がないケースが多いことから、基本的には仮処分でIPアドレスとタイムスタンプの開示を求め、経由プロバイダ(携帯電話会社など)に対して氏名、住所、メールアドレスの開示を請求することになります。
リブセンスからIPアドレスとタイムスタンプが開示された後、経由プロバイダ(携帯電話会社など)が判明しますので、各プロバイダに投稿者(契約者)の氏名、住所などの開示を請求します。
具体的な手続きは、本ブログの発信者情報開示請求とプロバイダ責任制限法をご覧ください。
転職会議への削除請求
リブセンスは、「転職会議」に投稿された口コミの削除について、任意の削除請求を受け付けています。もっとも、上記のとおり、会社で勤務した者が投稿した口コミ投稿は重要な価値を持っており、多くの転職希望者が閲覧する情報ですので、簡単に任意削除されるものではありません。
任意削除に応じてもらえないとしても、リブセンスは、裁判所による仮処分決定がなされれば、削除に応じる姿勢をとっています。なお、申立てをする裁判所は、基本的には被害者の居住地(会社の場合は本店所在地)を管轄する裁判所となります。