ホストラブは、風俗業界や水商売を対象とした匿名掲示板で、閲覧する人や投稿する人が多数おり、その影響力は大きなことで知られています。ホストラブに誹謗中傷が書き込まれることも多いですが、その開示請求や削除請求は容易ではありません。ホストラブのプロフェッショナルが、誹謗中傷対策について解説します。
ホストラブ(ホスラブ)とは
ホストラブ(一般には「ホスラブ」といいます)は2001年にスタートした夜業界(風俗店など)に関する情報交換サイトです。掲示板をメインとし、会員登録不要でのコミュニケーションが可能となっています。
スタート当時はホストクラブに特化したサイトとしてスタートしましたが、その後、ホストクラブに留まらず、派生して水商売全般、風俗業界全般、雑談等、業界に関わる方の興味のある話題全ての「業界全体の為のコミュニティーサイト」として成長しました。
現在では関東、北海道、東北、東海、九州地方を中心に1ヶ月の閲覧数が200万人を超え、2014年度には新たに47都道府県全ての地域の業界板が設立されています。
源氏名で誹謗中傷を受けてる場合でも、開示請求は認められる
ホストラブでは、源氏名で誹謗中傷されているケースが多いといえます。裁判実務上、源氏名でも同定可能性(特定性)が認められれば、名誉毀損などの権利侵害は成立しするとされています。同定可能性を証明する方法としては、お店の名刺、給与明細、ホームページのプロフィール画像、従業員名簿、陳述書などにより証明することになります。
顔出ししていなくても、大丈夫な場合が多いです。
風俗店などでは、本名ではなく源氏名で仕事をするのが通常であり、お客も店員も本名ではなく、源氏名でキャスト、コンパニオン、ホストを特定しており、同じ店舗内に同じ源氏名のキャストなどは存在しませんので、上記の証拠があれば同定可能性は認められやすいといえます。
私は、キャバクラで働いていますが、源氏名で誹謗中傷を受けています。犯人の特定はできますか?
ホストラブ(ホスラブ)で誹謗中傷を行った投稿者を特定する方法
ホストラブ(ホスラブ)における誹謗中傷のご相談も多数寄せられております。ホスラブの管理会社にIPアドレス、タイムスタンプの開示を求め、IPアドレス、タイムスタンプが開示された後、経由プロバイダ(携帯電話会社など)に対し、投稿者(契約者)の氏名、住所、メールアドレスの開示を請求します。
虎ノ門法律特許事務所は、全国からホストラブ(ホスラブ)に対する発信者情報開示請求のご依頼を多数受けており、実績が豊富で速やかな対応が可能となっております。企業(店舗)の方も個人の方も、ホスラブでの誹謗中傷でお困りの場合は、ご遠慮なさらずお問合せ下さい。
ご希望により、即日対応も承っております。
削除された投稿記事でも開示請求はできる
ホストラブでは「削除用パスワード」を設定して投稿すると、投稿後投稿者自ら削除できるシステムになっています。したがって、対象者を誹謗中傷した記事を投稿した後、しばらく経過してから当該記事を削除するケースも見られます。
このような場合でも、ホストラブはIPアドレスやタイムスタンプなどの発信者情報を保有しているため、投稿記事のスクリーンショットなどが保存さていれば、開示請求は可能です。
ホストラブ(ホスラブ)の開示に要する期間
新しい開示制度がスタートし、訴訟を前提とする開示請求に比べると、開示までのスピードは格段に速くなりました。ホスラブの事例を見てみると、投稿内容や投稿数によって異なりますが、ご依頼から2カ月程度が一つの目安になると思います。この辺りは、スピード感を持って対応するプロバイダとゆっくりと対応するプロバイダにより異なるところです。
新しい開示制度では、開示までの期間は短くなるのでしょうか?
ホストラブ(ホスラブ)で誹謗中傷を受けた投稿を削除したい場合
ホストラブ(ホスラブ)で誹謗中傷記事が書き込まれた場合、ホストラブ(ホスラブ)に直接権利侵害の理由を説明して、削除を求めます。ここでは、どのような法的根拠に基づいて削除を求めるかを具体的に説明する必要があります。源氏名や伏せ字を用いた誹謗中傷記事の場合でも、被害者本人であるという特定ができれば、削除請求も可能です。
なお、スレッドごとの削除にも対応できる場合がありますので、ご相談下さい。
ホストラブ(ホスラブ)への削除請求にあたっての注意
ホストラブには削除依頼フォームがありますが、削除依頼フォームから依頼した削除請求はすべて公開されるシステムになっています。したがいまして、被害者の方が削除請求をしたことが広く公開されるため、二次被害が生じる可能性があります。
そのため、「2ちゃんねる」と同様、削除依頼フォームを通じた削除依頼にはリスクがありますので、専門の弁護士に依頼するのが安全です。
加害者への損害賠償
ホスラブでの誹謗中傷を行う人は、お店の同僚やお客さんであることが多いです。
お店の同僚に対して書き込みをするのは、ライバルを蹴落としたいとか、何となく気に食わなかったからという理由が多いようです。
お客さんが書き込むというのは、キャバクラでもホストクラブでも、よくあります。お客さんの中には、高価なボトルを入れたりして、太客としてお金をたくさん使う人もいますが、交際関係になることは少ないため、色恋営業をされた、騙されたと思って、キャストの誹謗中傷を書いてしまうようです。
キャバクラ嬢の場合は、「ホストクラブに通っている」「店長と同棲している」などと書かれることが多いです。ホストの場合も、「風俗嬢のAと同棲している」などと書かれます。
また、クラブやホストクラブに多いですが、お客さんの個人名を出して書き込まれることもあります。お客さんとしては、自分の名前が書き込まれればお店に行きにくくなりますから、やはり営業妨害を狙った書き込みと言わざるを得ません。
その他、損害賠償に関しては、こちらをご確認ください。
ホストラブ(ホスラブ)に対する開示請求の対応事例
ホストラブで誹謗中傷されるのは、営業妨害であることが多いといえます。
A子さんは、キャバクラに勤務する20代の女性ですが、勤務していたキャバクラのスレッドに、「A子はホス狂い」「A子はホストと同棲している」といった投稿が繰り返され、多くのお客さんがそれらの投稿を信じてしまい、日々の売上げは減少してしまいました。困り果てたA子さんは当事務所を訪れ、投稿者の特定、損害賠償を依頼しました。
開示の結果、A子さんを誹謗中傷していたのは、同じ店舗に勤務していたY子であることが判明しました。Y子は自分が特定されそうになっていることを知り、店を辞めていましたが、開示された住所は運転免許証などの身分証明書で所在が確認されている住所ですので、転居先も追跡でき、損害賠償金100万円で示談が出来ました。
ホストラブ(ホスラブ)に対する削除請求の対応事例
風俗店で働いているB子さんは、担当ホストと交際を始め、泊りで温泉旅行に行くような関係になりました。交際相手からは、二人が付き合っていることは内緒にするように言われていましたが、お互い休みの日に泊りがけで温泉旅行に行った時の思い出写真をSNSにアップしてしまいました。
交際相手の顔にはスタンプでモザイクを入れておりましたが、誰かに特定されてしまったようで、ホスラブに写真が投稿されてしまいました。
そのため、B子さんは、当事務所に削除の依頼をし、ホスラブに投稿されていた写真は即日削除されました。
当事務所では、速やかな削除対応も可能ですので、削除をお急ぎの方はお早めにご相談ください。