
プライバシー侵害では、私生活に関する情報などを、本人の意思に反して公表・提供することが問題になります。内容が真実であっても侵害となる場合があり、名誉毀損の真実性の説明だけでは判断できません。
どのような情報が問題になるか
住所、連絡先、病歴、家族事情、交際歴などは、情報の性質や公表の状況に応じて保護の対象となります。一般に知られていない情報を、本人が望まない範囲に公開したか、公表する必要性があるかなどを確認します。
限られた友人が知っていることや、以前にSNSで触れたことだけで、その後の無制限な拡散が許されるとは限りません。氏名などそれぞれは簡単な情報でも、収集の目的や提供先、本人の合理的な期待などによって問題になる場合があります。
著名人・公人にもプライバシーはある
社会的な立場や活動内容は判断の一事情ですが、著名人だから私生活を自由に公開してよいというものではありません。公的な活動との関係、情報の内容、公表範囲、時間の経過、被害の程度などを検討します。
削除・開示・損害賠償を区別する
投稿を消すための人格権に基づく削除請求と、投稿者を特定する情プラ法に基づく開示請求は別の手続です。開示には権利侵害の明白性や正当な理由などの要件があります。損害賠償では、故意・過失、損害、因果関係も検討します。
情報漏えいについては、誰が、どのような管理義務を負い、どの行為をしたのかを確認します。委託先の関与があるだけで、民法715条の使用者責任が当然に成立するわけではありません。情報の性質や漏えいの範囲等に応じて賠償額も判断され、一律の金額はありません。
逮捕歴・検索結果の削除
逮捕歴についても、情報の性質、事件や処分、時間の経過、現在の生活、公表する理由などを比較衡量します。検索結果の削除とSNSの投稿削除には、最高裁が異なる判断枠組みを示した事例があります。逮捕歴・前科報道の削除についてと逮捕歴ツイートは削除できる?最高裁令和4年判決を解説で説明しています。
被害を確認したら
投稿URL、全文、画像、日時、アカウントを保存します。削除を急ぐ場合にも、特定を希望する場合は必要なログの確保を並行して検討します。
ログの保存期間は、事業者や通信の種類によって異なります。一律に「3か月」「6か月」と考えて待たず、早期に保存要請や消去禁止命令等を検討します。すでに消去された記録を、命令によって復元できるわけではありません。
詳しくはインターネット上の違法な投稿を削除してもらうにはどんな方法がありますか?、発信者情報開示請求とは|費用・期間・手続の流れを弁護士が解説をご覧ください。
参考資料
法令・公表資料は2026年10月3日に確認しました。個別の投稿についての結論は、内容や証拠、事業者の保有情報によって異なります。




