インターネット上での名誉毀損やプライバシー侵害、不正競争行為などの被害にお困りですか?加害者を特定するには、発信者情報開示請求が必要となりますが、「費用はいくらかかるのか」というご質問をよくいただきます。本記事では、弁護士の視点から開示請求にかかる具体的な費用について詳しく解説します。
発信者情報開示請求とは
インターネット上の掲示板やSNS、ブログなどで名誉毀損やプライバシー侵害にあたる書き込みをされた場合、加害者を特定して損害賠償請求するには、発信者情報開示請求が欠かせません。
発信者情報開示請求とは、インターネット接続プロバイダ(ISP)やコンテンツプロバイダに対して、違法な書き込みをした者の氏名、住所、電話番号などの情報開示を求める手続きです。以前は二段階の手続き(コンテンツプロバイダ→アクセスプロバイダ)が必要でしたが、2022年の改正プロバイダ責任制限法により、一体的な手続きが可能になりました。
発信者情報開示請求にかかる費用の内訳
1. 裁判所への申立費用
発信者情報開示請求を裁判所に申し立てる際には、以下の費用がかかります。
収入印紙
プロバイダ責任制限法の開示命令の申立てには、一件につき1,000円の収入印紙が必要です。改正前は合計2,000円必要でしたが、現在は一体的手続きにより1,000円で済みます。
郵便切手
一般的には1,000円~3,000円程度の郵便切手を予納します。具体的な金額は裁判所によって異なります。
合計:約2,000円~4,000円
2. 弁護士費用(着手金・報酬金)
弁護士に依頼した場合の費用相場は以下の通りです。
着手金
- 基本額:10万円~30万円
- 複雑な案件(複数プロバイダ経由):30万円~50万円
- 緊急の仮処分を伴う場合:別途費用が加算
報酬金
- 成功報酬:開示情報から得た慰謝料の10~20%
- または定額報酬として5万円~15万円
弁護士費用の合計:着手金10万円~50万円+報酬金5万円~30万円程度
3. コンテンツプロバイダへの開示請求費用
改正前は仮処分申立てが必要でしたが、現在は開示命令により一体的に処理される傾向にあり、費用は削減される可能性があります。
4. アクセスプロバイダへの開示請求費用
アクセスプロバイダへの開示請求は、裁判所の開示命令に基づいて行われることが多いため、裁判所への申立費用に含まれることが一般的です。
改正プロバイダ責任制限法による開示命令(一体的手続き)の費用
2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法が施行され、手続きが大きく変わりました。
一体的手続きのメリット
改正前は二段階手続きが必要でしたが、一体的手続きにより以下のメリットが生まれました。
- 申立費用が削減される(収入印紙1,000円のみ)
- 手続きに要する期間が短縮される(通常3~6ヶ月程度)
- 弁護士費用が削減される可能性がある
- 加害者の特定がより容易になった
開示請求の費用は相手に請求できるか?
多くの依頼者からいただくご質問が、「加害者に開示請求の費用を請求できるのか」というものです。
弁護士費用の請求について
弁護士費用は原則として自分で負担する必要がありますが、例外として以下の場合があります。
- 名誉毀損事件の損害賠償請求で勝訴した場合:慰謝料に加えて、弁護士費用の一部(慰謝料の10%~30%程度)が認められることが多いです。
- 判例上の相場:開示請求に要した弁護士費用が30万円の場合、5万円~6万円程度が認容される傾向にあります。
つまり、開示請求に要した弁護士費用のすべてを相手に請求することは難しく、一部のみが認められます。
費用を抑えるためのポイント
1. 情報収集を事前に行う
弁護士に依頼する前に、問題となった書き込みのスクリーンショット(URL付き)、書き込み日時の記録、被害の内容を整理しておくことで、費用を削減できます。
2. 改正プロバイダ責任制限法の一体的手続きを活用する
一体的手続きにより、申立費用の削減(1,000円のみ)、期間短縮による弁護士費用の削減が期待できます。
3. 無料相談を活用する
多くの法律事務所では初回無料相談を実施しています。まずは無料相談を受けて、専門家のアドバイスを得ることをお勧めします。
当事務所の対応について
虎ノ門法律特許事務所では、発信者情報開示請求に関する多くの案件を取り扱ってきました。
当事務所の特徴
- 実績豊富:過去100件以上の開示請求案件を担当
- 迅速対応:開示命令の取得まで平均4~5ヶ月
- 明確な費用体系:事前に費用について詳しく説明
- 初回相談無料:まずはお気軽にご相談ください
発信者情報開示請求についてのご質問、ご相談があれば、お問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. 開示請求にかかる期間はどのくらいですか?
改正プロバイダ責任制限法の一体的手続きの場合、通常3~6ヶ月で加害者の情報が開示されます。
Q. 複数の書き込みについて開示請求できますか?
はい。同一IPアドレスからの書き込みであれば、一度の開示命令申立てで複数の書き込みについて加害者の情報を取得できます。
Q. 海外のプロバイダ経由の場合はどうなりますか?
日本の裁判所の管轄外となるため困難な場合が多いですが、日本の子会社や支店が存在する場合は別の法的手段を検討できます。
Q. 弁護士費用を分割払いできますか?
当事務所では、依頼者の経済状況に応じて分割払いのご相談にも応じています。
本記事は2026年4月時点の法律に基づいています。法律は改正される可能性があるため、最新の情報は専門家にご確認ください。


