
ネット上の投稿を消したい場合は、まず証拠を保存し、投稿先の通報・削除申出、運営者への法律上の請求、裁判所での削除仮処分などを検討します。投稿が違法かどうかと、利用規約に反するかどうかは、分けて整理する必要があります。
削除依頼の前に証拠を保存する
投稿本文だけでなく、URL、投稿者のアカウント名・ID、日時、前後の投稿、添付画像・動画を保存します。画面に表示された時刻帯も記録します。削除後に投稿の内容や所在を証明できないと、投稿者特定や損害賠償請求にも支障が出ることがあります。
本人・サイト運営者へ削除を求める
投稿者が分かる場合には、本人への削除要求や交渉が考えられます。ただし、連絡により証拠が失われたり、追加の攻撃を受けたりする事情がある場合は、先に証拠確保と対応方針を検討します。
投稿先に通報機能や削除フォームがある場合は、対象のURLと、利用規約のどの基準に反するかを具体的に示します。規約に反する投稿であれば、法律上の権利侵害を立証しきれない場合でも削除されることがあります。一方、批判的な意見や低評価というだけで、必ず削除されるわけではありません。
名誉毀損、プライバシー・肖像に関する権利侵害などを理由に請求する場合は、誰のどの権利が、どの表現によって侵害されるのかを説明し、資料を添えます。掲示板の公開削除依頼では、依頼文に書いた氏名・事情が広まるおそれがあるため、公開範囲を確認します。
大規模サービスの結果通知は原則7日以内
総務大臣の指定を受けた大規模サービスには、権利侵害を理由とする削除申出の窓口整備・調査・結果通知などの義務があります。情プラ法25条と施行規則16条による通知期間は、例外を除き申出を受けた日から7日以内です。これは削除の実施を7日以内に保証する制度ではありません。一般の通報と法律に基づく申出では、窓口や必要事項が異なる場合があります。
対象は総務大臣が指定したサービスです。同じ会社が運営するサービスでも、すべてが指定されているとは限りません。例えば、2025年4月30日のGoogle LLCへの指定はYouTubeを対象としたもので、Googleマップの口コミにも当然に同じ義務が適用されると説明することはできません。
裁判所に削除仮処分を申し立てる
任意の申出で解決しない場合には、人格権等に基づく削除請求を被保全権利として、削除仮処分を検討します。権利侵害の内容と、放置すると著しい損害や急迫の危険が生じるなどの保全の必要性を疎明する必要があります(民事保全法13条・23条2項)。
仮処分は、申立てをすれば必ず認められるものではありません。担保金が必要となることもあります。相手方が外国事業者の場合を含め、管轄、法人名、資格証明、送達方法を事案に応じて確認します。
元の記事と検索結果の削除は別の問題
検索結果から表示を消しても、元のサイトの投稿が消えるわけではありません。転載や再投稿についても、所在と内容を個別に確認します。元記事、検索結果、転載先のどこを対象にするかを整理すると、申出の相手方と必要な資料が明確になります。
投稿者の特定を希望する場合
削除請求だけで投稿者の氏名・住所が開示されることはありません。投稿者の特定も希望する場合は、発信者情報開示請求とは|費用・期間・手続の流れを弁護士が解説とログの保存を並行して検討します。
ログの保存期間は、事業者や通信の種類によって異なります。一律に「3か月」「6か月」と考えて待たず、早期に保存要請や消去禁止命令等を検討します。すでに消去された記録を、命令によって復元できるわけではありません。
媒体別の対応はサイト別の誹謗中傷対策、当事務所の料金はお問い合わせ・料金についてをご覧ください。ご相談の際には、対象URLと保存した画面、困っている内容をお知らせください。
参考資料
法令・公表資料は2026年10月3日に確認しました。個別の投稿についての結論は、内容や証拠、事業者の保有情報によって異なります。




