
Googleに関する被害では、Googleマップの口コミ、YouTubeの動画、検索結果の表示を区別します。同じ会社のサービスでも、問題となる投稿、申出の窓口、法的な判断基準は同じとは限りません。
Googleマップの口コミを削除したい場合
まず対象の口コミを保存し、Googleの投稿ポリシーに反する理由を示して報告します。低評価や不満の表明というだけで削除されるわけではありません。詳しい手順と、裁判手続を検討する場合の注意点はGoogle口コミの削除方法と開示請求|悪質レビューへの法的対応を弁護士が解説をご覧ください。
投稿者を特定する場合
投稿時のIPアドレス・通信日時、登録電話番号・メールアドレスなど、保有されている情報と特定につながる経路を確認します。投稿時の情報で特定できない場合などには、ログイン通信等に関する「特定発信者情報」の開示を検討しますが、情プラ法5条1項3号の追加要件や、投稿との関連性が必要です。どのSNSでも同じ種類の情報が必ず保有・開示されるとは限りません。
発信者情報開示命令(情プラ法8条)を中心に、任意の請求や仮処分・訴訟の適否を検討します。IPアドレス等から接続業者への請求が必要になる場合には、提供命令(15条)や消去禁止命令(16条)の利用も検討します。開示の申立てだけでログが自動的に保存されるわけではありません。
ログの保存期間は、事業者や通信の種類によって異なります。一律に「3か月」「6か月」と考えて待たず、早期に保存要請や消去禁止命令等を検討します。すでに消去された記録を、命令によって復元できるわけではありません。
通信事業者から開示されるのは、通常、その通信に対応する契約者の情報です。家族共用回線、勤務先・店舗の回線などでは、契約者と実際の投稿者が異なることがあるため、追加の確認が必要です。
登録電話番号が開示されれば、弁護士会照会等で契約者情報を調べる方法を検討できます。ただし、回答の可否や登録内容に左右されるため、電話番号の開示だけで実際の投稿者が必ず判明するとは限りません。
検索結果を削除したい場合
検索結果からの非表示と、元のサイトの記事の削除は別の対応です。検索結果だけを消しても、元記事には直接アクセスできる場合があります。転載がある場合にも、それぞれの所在を確認します。
プライバシーを理由とする検索結果の削除について、最高裁平成29年1月31日決定は、非公表の利益と検索結果を提供する理由を比較衡量し、前者が優越することが明らかな場合の削除を認めました。この判断を、SNSの投稿やすべての名誉毀損事件に共通する基準として用いることはできません。
公式の法的な削除申出窓口を確認し、対象URL、表示内容、権利侵害の理由を説明します。任意の申出で解決しない場合は、相手方や管轄、権利侵害、保全の必要性を確認して裁判手続を検討します。
7日以内の通知義務はサービスの指定を確認する
情プラ法の大規模サービスに関する義務は、指定されたサービスに適用されます。2025年4月30日のGoogle LLCへの指定はYouTubeを対象としており、Googleマップの口コミや検索結果にも当然に原則7日以内の通知義務があるとは説明できません。
手続の共通事項は発信者情報開示請求とは|費用・期間・手続の流れを弁護士が解説とインターネット上の違法な投稿を削除してもらうにはどんな方法がありますか?、YouTubeはYouTube(ユーチューブ)に対する開示・削除請求をご覧ください。
参考資料
法令・公表資料は2026年10月3日に確認しました。個別の投稿についての結論は、内容や証拠、事業者の保有情報によって異なります。




