著者:弁護士 大熊裕司|虎ノ門法律特許事務所
Google ビジネスプロフィール(旧 Google マイビジネス)への悪質な口コミ投稿による被害は、年々増加しています。虚偽の内容や営業妨害を目的とした書き込みにお困りではありませんか?本記事では、Google口コミの削除方法から投稿者の特定、損害賠償請求まで、法的対応の全体像をご説明します。
Google口コミ被害の実態とビジネスへの影響
Google口コミの影響力
スマートフォンが普及した現在、多くの消費者は飲食店、医療機関、美容院、その他サービス業の選択の際に「Google口コミ」を参考にしています。Google検索やGoogleマップで店舗を検索すると、評価スター、口コミ数、具体的なレビュー内容が表示される仕様となっています。
正当な口コミであれば、それはビジネスにとって重要なフィードバック源です。しかし、虚偽の内容、事実無根の誹謗中傷、競合他社による営業妨害を目的とした悪質な口コミは、ビジネスに甚大な被害をもたらします。
Google口コミ被害の具体例
- 「衛生管理がずさんで、食中毒になった」という虚偽の内容
- 「強引な営業をされた」という事実と異なる記述
- 競合他社が投稿した悪意のあるレビュー
- 退職した元従業員による復讐目的の低評価
このような悪質な口コミは、Google検索の表示順位に影響し、顧客からの問い合わせ減少、売上低下に直結します。
Google口コミの削除方法
方法1:Googleへのポリシー違反報告
Google ビジネスプロフィールの利用規約では、以下の口コミはポリシー違反として削除対象となります。
- 違法行為に関する内容
- 個人情報の暴露:住所、電話番号等の公開
- ヘイトスピーチ、差別的表現
- スパムや詐欺:重複投稿、広告、詐欺的な勧誘
- 利益相反:競合店舗による低評価、自社による自画自賛など
報告手順
- GoogleマップまたはGoogleビジネスプロフィールで、削除したい口コミを探す
- 口コミの右上にある「…」(三点メニュー)をクリック
- 「不適切なレビューとして報告」を選択
- 理由を選択し、「報告」ボタンをクリック
Googleは、報告内容を確認し、通常2~3営業日以内に判断します。ポリシー違反が確認されれば、該当口コミは自動削除されます。
方法2:裁判所を通じた削除請求(仮処分)
仮処分は、本訴訟の判決前に、緊急に権利侵害行為を停止させるための暫定的な救済手段です。名誉毀損やプライバシー侵害が認められるとして、地方裁判所に仮処分を申し立てることができます。
仮処分が認められる要件
- 被保全権利:名誉毀損やプライバシー侵害など、法的権利が侵害されていることが明白であること
- 保全の必要性:削除されるまでの間に、回復不能な損害が生じるおそれがあること
- 疎明:事実と法律上の主張を、証拠によって明確に示すこと
仮処分にかかる費用
- 収入印紙:1,000円~3,000円
- 郵便切手:1,000円~2,000円
- 弁護士費用:20万円~50万円程度
- 担保金:申し立て額の5~10%程度
Google口コミ投稿者の特定(発信者情報開示請求)
口コミ削除後の次のステップ
Google口コミが削除されても、根本的な解決にはなりません。悪質な投稿を繰り返される可能性があるからです。投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うことが重要です。
Google LLCへの開示命令申立て
改正プロバイダ責任制限法(2022年10月1日施行)により、Google LLC に対して、投稿者の情報開示を求めることができます。
Googleから開示される情報
- 投稿者のメールアドレス
- 投稿者のIPアドレス
- 投稿日時
アクセスプロバイダへの開示請求
Googleから開示されたIPアドレスを基に、該当するアクセスプロバイダ(NTT、ソフトバンク、ドコモなど)に対して、さらなる開示請求を行います。
アクセスプロバイダから開示される情報
- 投稿者の氏名
- 住所
- 電話番号
注意点
- プロバイダは通常、ログを3~6ヶ月程度保持しているため、早期の対応が重要です
- VPNや匿名プロキシを使用している場合、個人の特定が困難なことがあります
開示請求にかかる費用と期間
- Googleへの開示命令申立て:弁護士費用2万円~5万円+申立費用
- アクセスプロバイダへの開示請求:弁護士費用1万円~3万円
- 合計期間:4~6ヶ月程度
損害賠償請求の可否と慰謝料の相場
損害賠償請求の成立要件
投稿者が特定された後、民法709条に基づく損害賠償請求が可能です。
- 違法行為:名誉毀損やプライバシー侵害に該当すること
- 過失または故意:事実でないことを知りながら投稿したこと
- 損害の発生:売上減少、精神的苦痛など具体的な損害
- 因果関係:投稿と損害発生の因果関係
Google口コミ事件における慰謝料の相場
- 単純な低評価のみ:5万円~15万円
- 虚偽の記載:20万円~50万円
- 営業妨害目的の悪質な投稿:50万円~100万円以上
Google口コミ対策で弁護士に依頼するメリット
- 法的権利侵害の的確な判断:「意見」と「事実摘示」の区別など
- Googleへの報告の強化:弁護士関与で削除判定の確度が上がります
- 仮処分の迅速な申立て:最短で進める方法を知っています
- 総合的サポート:削除、投稿者特定、損害賠償請求をワンストップで対応
- 刑事告訴の検討:悪質な事案では侮辱罪や業務妨害罪での刑事告訴も選択肢
当事務所の対応実績とお問い合わせ
虎ノ門法律特許事務所の特徴
虎ノ門法律特許事務所では、インターネット関連の権利侵害事件に特化した対応を行っています。
費用体系(参考例)
- 初回相談:無料
- 仮処分申立て:着手金30万円+成功時報酬金なし(固定)
- 開示請求:着手金15万円+成功時報酬金なし(固定)
- 損害賠償請求:着手金10万円+成功時報酬金は獲得額の15~20%
お問い合わせ方法
Google口コミについてのご相談は、以下の方法でお受けしています。
虎ノ門法律特許事務所
弁護士 大熊裕司
電話:03-6205-7455
メール:info2@toranomon-law.jp
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目1番23号 ウンピン虎ノ門ビル3階
よくある質問(FAQ)
Q. Googleへの報告だけで削除できますか?
虚偽や誹謗中傷が明白な場合は、Googleへの報告のみで削除される可能性があります。しかし、「意見」と見なされる内容は報告では削除されないことが多く、その場合は仮処分申立てが有効です。
Q. 仮処分が認められるまでにどのくらい時間がかかりますか?
通常、申立てから2~3ヶ月で裁判所の決定が出ます。事案の複雑性により4~5ヶ月かかることもあります。
Q. 損害賠償請求で必ず勝訴できますか?
権利侵害が明白であれば勝訴可能性は高いです。慰謝料額は事案の悪質性や事業への影響度により異なり、低評価だけであれば数万円、虚偽の記載なら数十万円程度が相場です。
Q. 削除請求と投稿者特定、どちらを優先すべきですか?
事業への影響が強い場合は削除優先、繰り返し投稿のおそれがある場合は投稿者特定を優先します。実際には、両方を並行して進めることをお勧めします。
本記事は2026年4月時点の法律に基づいています。最新の情報は当事務所にご確認ください。


